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交通事故 「後遺障害にあたらない」といわれたけれど…

交通事故 「後遺障害にあたらない」といわれたけれど…

自転車で走行中、乗用車に接触されて転倒しました。半年たった今も右の膝と足首の痛みがあり、歩くことも大変です。医師の後遺障害診断書を提出したのですが、保険会社から「後遺障害には該当しません」という連絡があり、賠償額の提案がありました。納得できないのですが、どうすればよいでしょうか。

回答

回答者: 弁護士 加藤 健次


納得できなければ争う方法があります
■ 後遺障害が損害賠償の対象として認められるには
 交通事故でけがをした場合、治療によってけがが治る場合(治癒)と一定の症状(後遺障害)が残ってしまう場合があります。後者の場合には、残された症状について医師に後遺障害診断書を書いてもらい、加害者側の保険会社に提出することになります。
 ところで、交通事故による損害賠償には、おおまかにいって①治療費や通院交通費など実際にかかった費用、②休業損害などけがによって失った利益、③けがが治るか後遺障害の診断がなされるまでの入通院慰謝料があります。後遺障害が残った場合は、その症状に応じて、労働能力が減退したことによる将来の収入の減少額(逸失利益)と後遺障害自体に対する慰謝料が付け加わります。
 もっとも、後遺障害の診断がされれば必ず損害賠償の対象となるわけではありません。一般には自動車損害賠償責任保険(自賠責)が、一定の要件に基づいて損害賠償の対象となるかどうかを判断するのが通例です。後遺障害は身体の部位や障害の程度に応じて1級から14級までの等級に分けられています。

■ 不服がある場合には異議の申立ができる
 自賠責の認定に不服がある場合は、自賠責に対して異議の申立を行い、再検討を求めることができます。異議の申立の結果、あらためて後遺障害の対象と認められたり、等級が高くなったりすることがあります。
 異議申立に際しては、こちらの主張を補強するために医学的資料や意見書を提出します。診断書を書いた医師に協力を求めることもあります。
 異議申立によっても自賠責の判断が変わらなかった場合には、裁判によって解決する方法も残されています。
 なお、慰謝料などの賠償額については、保険会社が会社の基準に基づいて算出しますが、必ずしも裁判で認められる水準に達しているとはいえません。
 ですから、保険会社からの提案に納得できないとか、よく分からないとかいう場合は、弁護士に相談した方がよいでしょう。

(2016年5月記)

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