事件紹介
すき家事件〜「すき家」に労組との団体交渉を求める判決が出ました。
担当弁護士 笹 山 尚 人
2012年2月16日、「すき家」を経営するゼンショーが国に対して提起した、中央労働委員会命令取り消し請求訴訟で、東京地方裁判所民事第19部(古久保正人裁判長)は、「ゼンショーは組合と団体交渉せよ」との中労委の命令は違法だから取り消せとの原告のゼンショーの主張を棄却する判決をくだしました。
首都圏青年ユニオンに加入する、「すき家」で働くアルバイト従業員の労働条件に関わる組合からの団体交渉の申し入れについて、ゼンショーはこれを拒否しています。ゼンショーのこの団体交渉拒否の違法性が、東京都労働委員会命令、中央労働委員会命令に引き続き、認定されたことになります。
組合は、当該訴訟に補助参加人として、被告国の訴訟活動を支援する立場で参加し、笹山弁護士は、組合側の主任代理人を務めました。
ある使用者と労働契約を締結している労働者のうち、たった一人でも、労働組合に加入していれば、当該労働者の労働条件に関する労働組合からの団体交渉は拒否できない。労働組合法上全く当たり前のこの原則を、再確認した判決になります。その意味では判決は当然のことを宣告したに過ぎませんが、それでも外食産業トップとも言われる「すき家」を経営するゼンショーが、公然と団交拒否の違法を繰り返すことは大きな問題で、問題ある企業に違法を宣告した点で、判決には大きな意味があります。
組合側のHPに判決についての声明、判決について朝日新聞の報道がありますので、ご参照ください。
首都圏青年ユニオン
http://www.seinen-u.org/
「すき家」に労組との団体交渉求める判決 東京地裁(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0216/TKY201202160656.html