弟からアパートの連帯保証人を頼まれました

弟が、アパートを借りるので、私に連帯保証人になってくれないかと頼まれました。弟の頼みなので断れないのですが、どのような責任を負うのかよくわからないので教えてください。

回答

回答者: 弁護士 本田 伊孝

 賃貸借契約の連帯保証人は、賃貸借契約にもとづく家賃、損害賠償、原状回復費などあらゆる債務について保証する責任を負います。また連帯保証人は賃借人が支払えないかどうか関係なく、支払期限が来れば家主に対し支払義務を負います。
 もっとも、家主は連帯保証人から滞納賃料を支払ってもらえれば賃貸借契約を解除する必要がありませんので、賃借人が家賃を滞納し続ける限り、連帯保証人に際限なく家賃を請求することが可能になります。しかし、それでは連帯保証人の負担が大きすぎることから、連帯保証人の支払限度を設ける「根保証」制度を設ける民法改正(2020年4月1日施行)がなされました。

=極度額の定めがなければ無効=
 支払限度のことを「極度額」といいます。連帯保証契約をする場合は、無限に責任を負う単なる「保証契約」ではなく、「極度額」を定めた「個人根保証契約」を結ぶことをお勧めします。
 保証契約は、口約束ではできず、必ず書面で契約しなければなりません。「個人根保証契約」では、「極度額」と「元本確定期日(契約日から5年以内)」を定め、契約書面に記載する必要があります。
 そして「元本確定期日」の定めがない場合は「契約の日から3年を経過する日」になりますが、「極度額」の定めがない場合は、保証契約が無効となり、連帯保証人としての責任は生じません。

=極度額に上限はあるのか=
 民法の改正によっても、連帯保証人の極度額の上限は規定されていません。ただ、一般的な賃貸借契約の期間を2年間とする場合が多いので、今後、極度額を「家賃の24か月分(2年)」とする契約が多くなると言われています。
 また、民法改正前の裁判例では家賃滞納があるのに賃貸借契約を解除せずに滞納をわざと累積させ、高額な保証債務を連帯保証人に請求することは信義則に反し許されないと判断されていますし、同様の事案で、連帯保証人が連帯保証契約を解除する権利を認めた裁判例も見られます。
 詳しくは、署名する前に契約書を持参のうえ、弁護士にご相談下さい。

(2021年6月記)

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