多くの人が住んでいるマンションでは、漏水・生活音・ベランダでの喫煙等を原因とする居住間のトラブルをはじめ、共同生活にかかわる問題(駐車駐輪場・ゴミ出し・ペット飼育・「置き配」等)、マンション建物や付属設備の維持・修繕・更新、さらには日常管理運営についていろいろな問題が発生しています。
 当事務所では、これらのご相談等に対し、マンション居住者の方々の自治が一層発展する観点に立ち、また頻繁に改正される法律や指針等に沿って、アドバイスや事件処理を行っています。

管理組合の役割

 マンションでは、区分所有者(マンション部屋の購入者)は専有部分を所有するとともに、全員で共用部分を共有し、その維持管理のための責任と負担を各自が負うことになっています。そのために、区分所有者は建物等の管理等を行う「管理組合」の構成員に自動的になります。マンション管理は区分所有者の「自治」で行われ、日常管理等は区分所有者の中から選ばれた(一般的には輪番でなることが多い)理事等で構成される「理事会」が行い、重要な事項は「管理組合総会」での多数決で決める仕組みになっています。

マンション管理に関するいろいろな問題

  1. マンションの共同生活についてのトラブル
     区分所有者の専有部分の使用方法(自己使用あるいは賃貸等)やリフォーム・修繕の方法や程度、ペット飼育問題、駐車場や駐輪場のあり方、ゴミの出し方、生活音・漏水・ベランダの使用方法(喫煙・物の設置等)、共用部分である玄関前や廊下の使用方法(置き配等)、いろいろな問題点や課題があります。
  2. 建物や付属設備の維持管理
     建物・給排水管・エレベーター・外壁・ベランダ等の大規模修繕から、電灯のLED化、付属設備の点検・修理や修繕について、いつどのように行うかについては「長期修繕計画」を作成し5年ごとの見直しが求められています。また給排水管の修繕・更新とあわせた専有部分の給排水管の修繕・更新が課題になっています。
  3. 管理費・修繕積立金
     築40年以上の老朽化したマンションは全国で137万戸とマンション全体のおよそ2割を占めており、建物の管理や再生を円滑に進めることが重要問題になっています。そのためにも、長期修繕計画に基づいて計画的に、建物や付属設備の維持管理に必要な管理費や修繕積立金を決め、値上げ等の対策を講じる必要に迫われています。
  4. 管理組合の運営
     管理組合総会や理事会のあり方・持ち方(理事のなり手が減少しています)、規約の改正、居住者のコミュニティや自治会との連携、高齢者・要介護者対策、区分所有者や居住者への情報提供、管理組合の会計の透明性など、課題は多いと言えます。建物の管理・維持等に無関心な区分所有者が多くなっていることも課題となっています。

 こうした課題の解決のため、2025年5月、マンション法といわれる「区分所有法」が改正されました(施行は一部を除き2026年4月)。これは、マンションの「建物の老朽化」と「住民の高齢化」といういわゆる「2つの老い問題」に対応したものです。建物の老朽化とともに、区分所有者の高齢化・非居住化(賃貸・空き住戸化)が進行し、管理組合の役員の担い手不足や、総会運営や集会の議決が困難になっている等の課題の解決のための法改正です。
 一例を挙げれば、管理組合総会での多数決の要件が緩和されました。マンションの取壊・売却等はこれまでの「全員の同意」から「5分の4」に、外壁の耐火性や耐震性の改修・修繕は「4分の3」に、大きな災害時は「3分の2」の賛成(被災区分所有法)で建替・取壊しが可能になりました。

弁護士 金井 克仁

法律相談はお電話または
予約フォームでお申し込み下さい

TEL.03-3355-0611

平日 9:00〜18:00/土曜 9:30〜15:00