当事務所では、離婚の問題について、女性からも男性からも多くの相談を受け、家庭裁判所の調停事件や訴訟事件を担当しています。

離婚の3つの方法

 当事者同士で解決ができない場合、弁護士は、代理人として交渉を行います。交渉で解決できないときは、家庭裁判所での調停で、調停委員会を介した解決を目指します。調停でも解決できないときは、裁判上の離婚訴訟に進みます。

①協議離婚

 双方で離婚について合意したときは、双方が署名押印した離婚届を夫婦の本籍地または所在地の役所に提出します。
 未成年の子がいる場合は、その親権者を離婚届に記入する必要があります。

②調停離婚

 双方が離婚自体について合意できないとき、双方が離婚することに合意しても、未成年の子の親権者や財産分与などの離婚の条件をめぐって双方合意での離婚ができないときは、家庭裁判所に調停申立をします。
 家庭裁判所の調停委員を介した調停で、離婚やその他の条件について合意ができたときには、調停調書でその内容を定め、離婚が成立します。

③裁判離婚

 家庭裁判所での調停が行われても、離婚やその他の条件について合意ができないときは、家庭裁判所に離婚の訴訟を提起します。
 家庭裁判所は、民法が定める離婚事由があるときは、離婚、親権者、養育費、財産分与、慰謝料などについて判決を出します。

子の親権について

 離婚する際に、子の親権者を定める必要がありますが、夫婦間で親権者の合意ができないときは、家事調停や家事審判の申し立て、離婚訴訟の判決により定めます。2026年施行の改正民法では、離婚後に夫婦の一方に親権を定める単独親権に加えて、共同親権が認められます。単独親権と共同親権のいずれとするかについて、当事者の協議が調わないときは裁判所が諸事情を考慮して決定することとなります(民法819条7項前段)。但し、子に対する虐待等の危険や一方の親に対するドメスティックバイオレンス(DV)が行われる危険があるような場合には、裁判所は単独親権としなければなりません(同項後段)。
 親権者の決定は子の最善の利益を踏まえることが重要です。共同親権を口実に子や一方配偶者の身に危険が生じるような場合には、共同親権を認めさせないよう弁護士から裁判所に働きかけます。また状況に応じて、一度親権が相手方に定められたときも、親権者変更の申立てをすることもあります。

婚姻費用や養育費、財産分与を求めたい

 夫婦が別居したときは、収入が少ない当事者は収入が多い相手方に対して、原則として婚姻費用の支払いを求めることができます。また、離婚請求と一緒か、離婚成立後にも、子の養育費の支払いや財産分与を求めることができます。
 定められた婚姻費用、養育費、財産分与が支払われない場合には、給与の差押えなど強制執行を申し立てて強制的に回収します。通常、差押えのためには確定判決、調停調書、調停に代わる審判、執行許諾文言付き公正証書等の債務名義が必要です(民事執行法22条)。2024年民法改正により、養育費の支払請求権が「先取特権」という法定担保物権に加えられました(民法306条)。今後は債務名義を取得する前であっても、養育費の回収を行うことが法的には可能になります。弁護士は、養育費が支払われないときには、先取特権も駆使して、金銭を回収するために活動します。

離婚と年金分割

 年金分割とは、夫婦が離婚したときに、一方の請求により、婚姻していた期間中の厚生年金(民間)や共済年金(公務員)の保険料納付記録を、最大50%の割合で他方に分ける制度です。
 保険料納付記録の分割の割合は、双方の合意書に公証人の認証を受けるか、公正証書を作成します。双方で合意できないときは裁判で決めます。
 なお、年収130万円以下の専業主婦など(国民年金の第3号被保険者)が離婚したときは、配偶者の平成20年4月1日以降の婚姻期間中の厚生年金や共済年金の保険料納付記録については50%の割合で年金分割されます。

弁護士 岸 朋弘

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